ファクタリング資金調達~中小企業が生き残るためにはこれ

債権の現金化をするファクタリングという資金調達方法について中小企業の経営者である私が説明しています。倒産を防ぐ方法としても有効です。なるべく簡単で分かりやすく説明をしていますので、ファクタリングの活用を検討されている経営者の方は御参考にしていただけたら幸いです。

ファクタリングのスキームについて

ファクタリングを行うことで、売掛金の期限を待つことなく早期に現金化することができ、キャッシュフローの向上を図ることが可能となるとともに、バランスシートのスリム化を図ることができます。

ファクタリングのスキームについて

 

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このようなメリットのあるファクタリングには、次のようなスキームが採用されるのが一般的です。

 

まず、当然ながら売掛金が発生していることが前提となります。未だ売掛金が発生していない場合には将来債権譲渡契約を締結するということになり、ファクタリングとは異なる契約となります。

債権譲渡の確定日付について

 

次に、ファクタリング会社の間でなされた債権譲渡について、売掛先に通知がなされます。これは確定日付のある証書で行う必要があります。

 

このような通知が必要となるのは、第三者対抗要件を備えなければファクタリング会社が売掛金の譲渡を受けたとしても、将来的に他の債権者から差押えがなされ、回収を図ることができなくなるおそれがあるからです。

第三者対抗要件に具備する

 

通知のほかに、債権譲渡特例法による債権譲渡登記を行うことでも第三者対抗要件を備えることができますが、どちらのスキームが採用されるかは場合により異なります。このように対抗要件具備がなされた後に、ファクタリング会社から売掛金の譲渡代金が支払われることになります。

 

売掛金の額面通りの金額を受け取ることは通常期待できず、期限前の支払いがなされる以上、何割かは差し引かれることになります。

 

期限までのサイトが長ければ長いほど、回収できないリスクが高まるため、差引額が高くなる傾向があります。

 

また、会社の経営状態、売掛金が優良か不良か等によって、支払うべき手数料が異なってきます。一般的に、会社の経営状態が良く、優良債権であるほど手数料は安くなります。

 

そして、売掛金の支払期日に、ファクタリング会社が直接回収することになります。

 

このようなスキームが取られるのが一般的ですが、売掛先からの回収を譲渡人である会社が代理で行い、ファクタリング会社に支払うというスキームが取られることもあります。いずれにせよ、どのようなスキームが取られているのか理解した上で契約を締結する必要があります。

ファクタリングのリスクは?

ファクタリングは支払期日が来ていない売掛金を回収することができる金融サービスとして人気を集めていますが、当然ながらファクタリングにリスクが一切ないわけではありません。

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手数料が高いというリスク


ではどういったリスクがあるのかと言うと、まず挙げられるのは「手数料が高額である」ということです。

ファクタリングは一般的にまだ入手できないキャッシュを入手できる代価として高い手数料が請求されるものとなっており、資金を調達する代わりに将来的な収益減少を引き起こすというリスクが存在しています。

仮に手数料が取引金額の10%だった場合には売り上げが10%下がる、1割引きの値段で商品を売ったのと同じことになってしまいますから、多用していくと自社の利益が著しく減少する可能性があります。

一方的な解約リスク

次に二つ目が「一方的な解約がされることがある」ことです。

ファクタリングのメリットとしてあるのが売掛金を早期に回収できること、つまり売掛金が発生する取引相手が倒産したとしてもそれ以前にファクタリング業者と契約しておけば間接的に売掛金の一部を回収できることになるのですが、ファクタリング業者との契約の内容によっては売掛金の生じている取引相手の財務状況によって契約を一方的に解約されることがあります。

契約する前には審査が行われるために実際に倒産した後で解約を強要されるなどのことはありませんが、もし取引相手の体力が低下しているなどの状態にあるのであればリスクとして考えておく必要はあるでしょう。

返済の分割は出来ないリスク


そして三つ目として「原則として返済の分割はできない」こともリスクになります。

仮に1000万円の売掛金をファクタリング業者に譲渡してキャッシュを得た場合、自社は支払期日が過ぎた後に1000万円をファクタリング業者に渡す必要があります。

これについては売掛金をそのまま渡すことが原則となっていますから、もし支払期日が来たときに自社の財務状態が悪化していたとしても入手した売掛金全てをファクタリング業者に渡さなくてはなりません。

最初に挙げた売上減少という要素と合わせると売り上げが減って債務を背負うといった形にもなりかねませんから、こうしたファクタリングのリスクに関する点はしっかり注意しておく必要があります。